夕焼けノスタルジー。夕暮れの空はどうしてこんなに懐かしい気持ちになるんだろう。
夕暮れ時はどういうわけか不思議な気分になるものだ。
買い物帰りに空を見ると、ちょうど日が沈む夕暮れ時だった。
オレンジ色の太陽がまぶしいけど優しくて、そのまま家に帰るのがなんだかもったい気がした。
少しだけ車を走らせて、太陽の沈む方に進んだ。
にぎやかな声が聞こえてきたなあと思うと、中学生たちが一斉に自転車に乗って下校する列。
「あ、そうか。もう下校の時間か。」
真冬だというのにコートなど着る子もいない。
中学生は元気だ。
この時間に下校するのは中学3年生。
下級生はまだ部活動をやっている時間だろう。
部活動を引退した中学3年生だけがこの時間に下校できる。
「もうすぐ高校受験か・・」
この下校している子供たちの中学は私の2人の子供たちも通っていた中学だ。
もう何年前になるのだろうか。
今はもう立派な大人だ。
夕暮れの日差しの中で走っていく中学生の列を眺めていると、自分の子供たちが中学生の時のころの思い出がどんどんと頭の中にあふれてくる。
リアルにその時のままの映像が思い出される。
「かわいかったよなあ」
そして必死で未熟だった親としての自分のことも思い出して、すこしだけ居心地が悪くなったりもする。
「いっぱいしっぱいしたよなあ。ごめんね。」
夕暮れ時のオレンジ色の太陽の日差しはどうしてこうも人を懐かしい気分にさせるのだろうか。
そしてそれは懐かしさの中にもちょっとだけすっぱくて悲しい気持ちが入っている。
たぶん一生、ずっとこんな気持ちで私は夕暮れを過ごすのだろう。